腰痛ガイド


医学が進歩しても腰痛患者は減らない?!


(厚生統計協会「国民の動向・厚生の指標」1987〜2005&厚労省サイトより)



なぜこれだけ医学が進歩しているのにもかかわらず、腰痛の患者さんは減らないのでしょう。

こういう話を聞いたことはありませんか?
「腰痛は、二足歩行を選択した人類の宿命であり、体の重さに耐えられなくなった腰の叫びである」
「過重な負担で受けた腰の損傷は、背骨や椎間板の異常として画像検査(レントゲンなど)で確認できる」
「腰痛に襲われたときは、コルセットをして痛みが消えるまで安静にしている」
「手術しないと治らない」


これからは腰痛にまつわる過去の常識を捨て去り、腰痛に対して抱いている態度と信念を変える時代が来たと思っています。


下記のグラフをご覧ください。

腰痛患者(100名)
健常者(100名)
腰仙移行椎
10%
10%
脊椎すべり症
2%
3%
潜在的二分脊椎
4%
6%
変形性脊椎症
26%
22%

(Splithof CA :JAMAより)

20〜80歳までの健常者98名を対象に、腰部をMRIで撮影し、それに腰下肢痛患者のMRI画像27枚を混入させ、内容を知らない2名の神経放射線医が読影させた。
結果、少なくとも1ヶ所以上の椎間板膨隆が52%、椎間板突出が27%、椎間板脱出が1%認められ、どの椎間板にも異常が見られなかったのはわずか36%だった。
要するに、腰痛患者も腰痛のない健常者も同じように、椎間板ヘルニアがあり、腰痛と椎間板ヘルニアの関連性はない。(椎間板ヘルニアとは背骨の骨と骨の間にある軟骨(椎間板)が飛び出ることです。)

(1994年、Jensen MC らによってニューイングランド医学ジャーナルより)

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健康な人にも骨の変形はあるし、ヘルニアもあるということなんです。
ほとんどの腰痛患者(95%)にとって レントゲンやCTなどの画像検査は役に立たない、ということがお分かり頂けたかと思います。
構造(ゆがみ・変形など)と痛みは必ずしも一致しない、むしろ関係ないと言えるのではないでしょうか。




ヨーロッパのガイドラインによるとレッドフラッグ(生命を脅かす危険信号)以外はイエローフラッグ(心理社会的要因)が腰痛改善の妨げの原因になると捉えています。

レッドフラッグ
◆最近の激しい外傷歴(高所からの転落、交通事故など)
◆進行性の絶え間ない痛み(夜間痛、楽な姿勢がない、動作と無関係)
◆胸部痛
◆悪性腫瘍の病歴
◆長期間にわたる副腎皮質ホルモン(ステロイド剤)の使用歴
◆原因不明の体重減少
◆脊椎叩打痛
◆発熱
◆排尿排便障害
など
イエローフラッグ
◆痛みや身体活動は有害だという間違った思い込み
◆安静にするなど
◆抑うつ状態、不安
◆不適切な治療
◆受給資格や補償に関する問題
◆腰痛暦、休職歴、補償請求暦
◆職場の問題、職務満足度
◆重労働、深夜勤務
◆過保護な家族、あるいは支援の欠如



こんなことが腰痛の原因になるの!と思われた方もいると思いますが、これは事実です。

腰痛に屈することなく、立ち向かう勇気さえ失わなければ、必ず明るい未来が開けてくると思います。自分を信じて、ベストを尽くしてください。杉整骨院も精一杯サポート致します。






引用
腰痛ガイドブック 根拠に基づく治療戦略 長谷川淳史著
急性腰痛と危険因子ガイド 長谷川淳史著